前後のホイールが重なり合うように折りたたまれるこの構造を実現するまでには、溶接方法など幾多の失敗とテストを繰り返したと言います。
類を見ないデザインで、ハマる人にはハマるIF moveの特徴を紹介したいと思います。
【目次】
1. 重なる失敗の果てに生まれたIF move
2. 走るアート「IF move 9speed」
3. シンプル機能の組み合わせ「IF move SINGLE SPEED/BELT DRIVE」
4. スマートな折りたたみ形状
5. 理想的な持ち運び方
6. 仕様と価格について
7. まとめ
1.【重なる失敗の果てに生まれたIF move】
三角形のフレームが特徴的な‘STRiDA(ストライダ)’を世に送り出したイギリス人デザイナーのマーク・サンダース氏の2作目となるのが‘IF moveです。
彼らしい独自的な折りたたみ構造が成功するまでには、思わぬ長い道なりがありました。
IF moveの設計が終わり、いざPacificの工場で試作車を作る段階になった時、開発チームは自転車のフレームづくりにおいて最もポピュラーな「溶接」を用いて製作を進めました。
ところが、他の自転車と同様でいつものように根幹となるフレームができあがり、ホイールやハンドルなどのパーツを組み付けて折りたたみ機構のチェックをしたところ、思わぬトラブルが見つかりました。
なんと、フレームをたたんで前後のホイール同士がマグネットできれいにくっつく部分において、何度試しても上手く合致できなかったのです。
すぐさま溶接をやり直し、もう一度トライするものの、先の失敗と同様にマグネット同士がくっつくことはありませんでした。
そこで開発チームが原因について話し合ったところ、一つの答えが見つかりました。
それはフレーム製作段階で行なっていた熱による本当にわずかな「歪み」だったのです。
自転車はフレームを作る過程で「熱」を多く使います。
メーカーやモデルによって異なる部分がありますが、大きな流れとして初めはフレームとフレームを、治具を使ってスポット溶接で繋ぎます。次に正式に丁寧に溶接していきます。そしてフレームの‘歪み’を取り除く「アライメント調整」を行います。その後、高温による熱処理によってフレーム強度を高めるための「焼き入れ」をします。仕上げに熱により歪んだフレームのアライメント調整をして仕上がっていきます。
通常のフレームであれば上記のようにアライメント調整を2回も施工すれば、完成後に乗っていて違和感がある、という状況にはほとんどなりません。
しかし、IF moveのように折りたたみ方は簡単なものの、折りたたみ構造が複雑な自転車の場合は、その熱によるアライメント調整では取りきれない極わずかな歪みから、前後のホイール同士をマグネットでくっつけることができなかったのです。
長い時間解決策を模索する中で、高い熱を使わないでも、フレームを接合できる「接着」という方法を採用することになりました。
さらに、通常の接着ではなく「ガラスの粒子」を混ぜることによって、歪みと強度に対する不安要素を、高いレベルでクリアできるように強化することが決まりました。
そこで、新しい接合方法で作り上げた試作車を組み立てて折りたたみチェックをしたところ、ついに「カチッ」という音を立ててマグネット同士がくっつきました。
そして満を持して発売されたのがIF moveなのです。
2.【走るアート「IF move 9speed」】
『IF move 9speed 全2色 価格230,000円(税別)』
そのフレームデザインから‘走るアート’と称されるIF moveのギア付きバージョンです。
近距離から中距離走行に向いているギア比は、どなたの脚力にも使いやすくなっています。
ギアチェンジは感覚的な操作が可能な「グリップシフト」です。グリップ部分を握って回すだけで、ギアの切り替えが可能です。
軽い力で高い制動力を実現するのが前後ホイールに採用されたディスクブレーキです。長い下り坂でブレーキレバーの握り疲れがなく、雨天や湿気が強い環境でも安定した機能をもたらします。
前後のホイールを支えるフォーク及びフレームが片方にしかないフレームデザインは、見る人たちを驚かせるでしょう。
3.【シンプル機能の組み合わせ「IF move SINGLE SPEED/BELT DRIVE」】
IF moveを街乗りに特化して作られたのがシングルスピード/ベルトドライブ仕様です。
名前の通り、一つのギアで作られているため、ギアチェンジができないものの、そのシンプルな構造からメカトラブルが大幅に軽減できるのが特徴です。
また、チェーンを使わずにベルトドライブにすることで、定期的な注油の必要がなくなり、油汚れによってズボンの裾を汚す心配もございません。
デザイン性を引き立てるカラーラインナップは、選ぶ楽しさを与えてくれます。
ギア比はIF move 9speedの一番重たいギアから数えて3段目とほぼ同じこぎ味になっていますので、重すぎず、軽すぎずと言った絶妙なセッティングのため、女性のお客様からも「街乗りでちょうど良い」との感想をいただいています。
4.【スマートな折りたたみ形状】
わずか数秒で折りたたみが完結するオリジナリティ溢れる折りたたみ構造です。
初めのうちは折りたたみ方に‘慣れ’が必要なものの、慣れると本当に「あっ」という間にたたむことができるようになります。
タイヤとタイヤが重なるようにたたまれる上に、折りたたみ式のペダルが標準装備されていることで横幅のスペースをほとんどとらないのも特筆できます。
なにより折りたたみをするアクションがとてもカッコいいです。
実際の折りたたみ動画はこちらの公式ページをご参照ください。
5.【理想的な持ち運び方】
IF moveのハンドル部分のフレームをよく見ると、「持ち手」のような形状になっていることがわかります。
これはオプション等で持ち手を追加するのではなく、元々のフレームデザインのため、折りたたんだときはこの「持ち手」を持つことで、重なった2輪のタイヤを転がして運ぶことが可能です。
転がすための部品も持ち手となる部品も必要ない。
まさに折りたたみ自転車をたたんだ状態で移動するのに理想的なフレーム設計と言えるでしょう。
なお、9speedモデルは転がす際に、後ろ方向だとクランクが回転してフレームに接触する関係で前方向のみとなりますが、シングルスピードモデルは特殊なハブ機構を採用している関係で前後どちらでも転がして移動することが可能です。
6.【仕様と価格について】
『PacificCycles IF move 9speed』
価格:230,000円(税別)
カラー:ブラック・ホワイト
フレーム:アルミニウム
タイヤ:MAXXIS DTH 20x1.5 Max110PSI
ブレーキ:ディスクブレーキ
前ギア:44T
後ギア:11-25T / 9スピード
ディレーラー:SRAM X7
折りたたんだ際の転がし方向:前方向のみ
折りたたみサイズ:97cm(H) x 50cm(W) x 27cm(D)
重量:12.3kg
『PacificCycles IF move SINGLE SPEED / BELT DRIVE』
価格:185,000円(税別)
カラー:ロンドンブルーメタリック・アーバングレーソリッド・セミマットベージュメタリック・ブリックレッドメタリック
フレーム:アルミニウム
タイヤ:MAXXIS DTH 20x1.5 Max110PSI
ブレーキ:ディスクブレーキ
前ギア:80T / ベルトドライブ
後ギア:25T / シングルスピード
折りたたんだ際の転がし方向:前後共に可能
折りたたみサイズ:97cm(H) x 50cm(W) x 27cm(D)
重量:11.93kg
7.【まとめ】
インテリアやカフェなどの軒先に置いても絵になる折りたたみ自転車「IF move」の紹介はいかがでしたでしょうか。
店頭で折りたたみ方を紹介すると、ほとんどの方が驚きと感動で笑顔になってくれます。
折りたたみ方自転車は数あれど、たたむだけで驚かれる自転車は珍しいのではないでしょうか。
IF moveシリーズは純正オプションを含めてWebショップからご注文、または店頭納車のご予約が可能です。
店頭には試乗車もございますので、お気軽にお試しいただけます。
他にはない折りたたみ自転車をお探しの方は、IF moveシリーズを候補に入れてみてはいかがでしょうか♪
《折りたたみ自転車&ミニベロE-BIKE(電動アシスト)専門店》
サイクルハウスしぶやお花茶屋店
住所: 東京都葛飾区お花茶屋1-26-2
電話番号: 03-5650-2510
メールアドレス: toiawase@cycleshibuya.com
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火・水曜日
☆最寄駅の京成線お花茶屋駅までは、東京駅から電車で約30分、千葉駅からは約50分になります
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